
ピクシーダストテクノロジーズが目指す姿
当社は、「人類と計算機の共生ソフトウェア基盤を構築する」を経営理念として、大学で研究された技術シーズを、事業会社や自治体と連携して社会実装し、少子・高齢化による労働人口の減少や障がい者の暮らしをより豊かにするといった社会課題の解決を目指しています。
アカデミア発のベンチャーですが、特定の技術をスピンオフさせて、その特定技術を社会実装することを目指しているのでありません。当社が目指しているのは、「アカデミア発及び自社R&Dから生まれる技術を、社会に存在する課題・ニーズドリブンで、連続的に社会実装する仕組みを作る」ことです。
このような考えの背景には、このままでは日本のアカデミアはダメになってしまうのではないかという課題感があります。日本では良い研究が生まれているものの、それをマネタイズする力が弱く、研究サイドに資金が還流しにくい状況に陥っています。この状況を打破するべく、大学発のシーズを育て、課題やニーズの掘り起こしとそこへのマッチングを通じて社会課題を解決することで正当な対価をいただき、大学に戻していく。その仕組み全体を作りたいというのが、PxDT Commitmentにも込めた当社設立背景にもある想いです。
PxDT Commitment
・視聴触覚(対人/対物)のデジタルイノベーションを促進する
・日本のアカデミアを中心とした研究開発のROIを高める好循環を創る
・テクノロジーを課題/ニーズドリブンで世の中に連続的に実装する
・今あるテクノロジーで解決できる課題は、最速最適に解決する
・日本のベンチャーエコシステムが好循環をなすことに貢献する
その打ち手のひとつとして、当社が筑波大学と取り組んでいる新しい産学連携のかたちがあります。当社の代表取締役CEOであり、筑波大学准教授でもある落合の研究室(Digital Nature Group)で生み出された知財は、100%会社側に譲渡される仕掛けになっており、その対価として、筑波大学には新株予約権を付与しています。この仕組みのポイントは先に新株予約権を付与している点にあり、発明が出るたびに都度交渉をして対価を払う、もしくは新株予約権と交渉する必要がないため、一般的な産学連携においてネックとなる交渉プロセスを短縮し、きわめてスピーディに社会実装実現に向けて動くことができるのです。2020年1月には、東北大学とも同様の契約を締結しました。
このスキームの構築により、連続的に大学の研究(要素技術)が会社に入ってくるようになっています。新しい技術が次々と会社に入り、それを会社の中で育て、さらにそれを様々な企業や自治体とコラボレーションしながら課題解決につなげ、世の中に出していく。それにより収益が上がって企業価値が上がれば大学側にお返しすることもできます。そうした「生み出し、育て、社会実装する」、そしてアカデミア側に返す、一連の仕掛け全体をデザインして回していきます。
では、どのように社会の課題を捉えてビジネスにしているのかというと、企業との契約のかたちは様々ですが、いずれも受託ではなく、共同検討やPoCにはじまり、共同R&Dを通じて社会実装につなげ、共同検討や共同R&Dはもとより、事業化時のレベニューシェア(または、パフォーマンスペイメント)をいただくモデルがベースとなっています。詳細をお伝えできないものも多くもどかしいのですが、現在進行中のプロジェクトには、難聴者のコミュニケーションの課題を解決するためのプロジェクトや、音響メタマテリアル技術を用いた革新的な吸音材、建設業界向けのデジタルソリューション等があります。
研究開発チームがアカデミア発及び自社R&Dによって生まれる技術を育てて実用に向けて開発し、さらに事業開発チームがその提供価値を見極め、顧客の課題・ニーズとしっかり擦り合わせていく。そうした中で、市場へブリッジして初めて人々の生活に溶け込み、そこで価値になると考えています。当社ではそういうチームを作るところに腐心してきましたし、今まさにいいチームができてきていると考えています。
しかし、クライアントからの引き合いやご期待に応えるには、また「アカデミア発及び自社R&Dから生まれる技術を、社会に存在する課題・ニーズドリブンで、連続的に社会実装する仕組みを作る」というビジョンを実現するには、さらなるチームの強化が重要であると考え、当社のビジョンに共感いただける方の参画を社員一同、お待ちしております。少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひエントリーいただけますと幸いです。